油圧バルブのスプールとポペットとは
油圧バルブ弁の主な部品としてスプール、ポペットがあります。スプールやポペットは各制御弁の中で使われる弁体の名称です。
スプールは完全なON/OFFではなく開く量によって流量の調整にも使えますが、わずかに漏れがあります。一方ポペットは、完全なON/OFFの機能しかありませんが、OFFの時には漏れがなく完全に流路を塞ぎます。そのため、スプールは方向制御弁や流量制御弁に、ポペットは圧力制御弁やチェック弁に使用されます。
なぜスプールが必要なのか
ポペットができるのは基本的に流路を全開にするか、全閉にするかのみ(ON/OFF)。また、ポペット一つが制御できるのは一つの流路だけなので、たとえば4ポートの方向制御弁を、チェック弁などポペットを使った弁で組もうとすると、ポートの数だけポペットが必要となります。またスプールの場合、流路を塞ぐ面積が連続的に変化するため、滑らかな流路切り替えが可能です。
なぜポペットが必要なのか
ポペットは圧力制御弁やチェック弁など、全閉状態が必要な場合に使用します。ポペットは先端がテーパー状になっており、弁座はちょうどポペットがはまり込む形になっています。そのため、全閉状態を実現できるのです。
スプールとポペットの違い
ポペットは先端こそテーパー状となっていますが、加工は比較的簡単で加工精度もそれほど必要ではありません。また、圧油中のゴミにも強いという特徴があります。また、密閉性は高くポペットが弁座にはまり込むと基本的に油は漏れません。
スプールには軸とランド(流路を塞ぐ部分)があります。軸に円盤状のランドがついたような形状をしているため、形はやや複雑です。また、スプールはスプール自身(正確にはランド)とスリーブの間にわずかに隙間があるため、軸方向に動作できます。そのため、スプールは比較的加工が複雑でより高い加工精度を求められます。また、圧油中のゴミに弱いのもスプールの特徴です。
油圧バルブのスプール製造事例
バルブスプール
スプール
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