油圧シリンダー部品の種類
油圧シリンダーは、流体エネルギーを運動エネルギーに変える大切な油圧部品であり、シリンダーの中をピストンが移動してピストンロッドが伸縮することによって外部の負荷に対して仕事をします。
適切な仕事を行うためには構成する部品を高精度に加工する必要があります。油圧シリンダー部品の種類には以下のようなものがあります。
ピストンロッド
シリンダーの中でピストンが動くだけでは、実は仕事になりません。ピストンに固定されたピストンロッドが外部の負荷へ力を伝えてはじめて油圧シリンダーが仕事をするのです。
そのため、圧縮荷重と引っ張り荷重の両方に対して耐力が必要です。
また、ロッドは使用環境の影響を受けるため、耐摩耗性や耐食性が必要です。屋外で使用する車両や装置の場合はさらに過酷な使用環境となります。そのため、ピストンロッドには硬質クロムメッキを施し、耐摩耗性や耐食性を向上させているのです。
ブッシュ
ロッド側の軸受けとして、ピストンロッドがブッシュにより支持されています。ブッシュの機能は軸の支持と、水平方向(軸方向)への運動を許容すること。そのため、ピストンロッドは支持されながらもピストンと同様に軸方向へ移動できるのです。
ブッシュは前カバーに取り付けてありますが、ブッシュと前カバーの間にもわずかな隙間があります。この隙間から圧油が漏れないように、ブッシュにもブッシュガスケットと呼ばれるOリングが取り付けられています。
油圧シリンダーの支持部品
油圧シリンダーは流体エネルギーを運動エネルギーに変えて推力を得ます。しかし、推力を負荷へ伝えるためには、油圧シリンダー自身を固定する必要があるのです。
シリンダーの固定方法は、大きく分けて五つあります。
- フート取付け
- ブラケット取付け
- ピボット取付け
- トラニオン取付け
- 本体直接取付け
フート取付けは、油圧シリンダーを水平に設置する場合に行います。フートの語源は「foot」。L字型をしたフートを足のようにしてヘッドに取付け、フートに開いている通し穴を使って固定します。ブラケット取付は、油圧シリンダーを垂直に設置する場合に行います。前後いずれかのカバーにブラケットを取り付けて、ブラケットに開いている通し穴を使って固定します。
ピボット取付けは、バックホーのアームのように揺動運動をさせる場合に行います。ヘッド側にクレビスと呼ばれる三角形の板を取付けます。クレビスの一角には通し穴が開いており、クレビスの通し穴に軸を通すことで、旋回中心として揺動運動ができるのです。クレビスが一枚の場合は一山クレビス、二枚の場合は二山クレビスと呼びます。
トラニオン取付けもピボット取付けと同様に、揺動運動の旋回中心となります。クレビスは穴でしたがトラニオンは軸、クレビスはヘッド側にしか取り付けられませんでしたがトラニオンはヘッド側の他、ロッド側やシリンダーの中間にも取り付けられます。揺動運動の半径が小さい場合にはトラニオン取付を行います。
油圧シリンダーのピストン
ピストンは流体エネルギーを運動エネルギーに変えるための大切な部品です。仮に油圧シリンダーにピストンがついていないとします。ピストンがないとシリンダーとの間で密閉された空間が作れないため、ヘッド側へ圧油を送っても圧油がロッド側へ漏れるだけで、ピストンロッドは動きません。
油圧の原理となっているパスカルの定理は「密閉された容器」の中の話です。ピストンがないと油圧の作動条件を満たさないことになります。
ピストンはシリンダーとならんで油圧シリンダーを構成する主要な部品です。シリンダーの中を移動するピストンの直径は、シリンダーの内径よりわずかに小さくなっています。しかし、この状態では隙間があるため油が漏れてしまいます。
そのため、ピストンにはピストンパッキンと呼ばれるOリングがついています。ピストンパッキンがあるからこそ、シリンダーとピストンの隙間から油が漏れずにピストンが動くのです。ピストンパッキンは圧油の温度や圧力、また油圧シリンダー(ロッド)の動作速度を考慮して選定する必要があります。
油圧シリンダー部品の製造事例
油圧シリンダー
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油圧シリンダーは、流体エネルギーを運動エネルギーに変える大切な油圧部品であり、シリンダーの中をピストンが移動してピストンロッドが伸縮することによって外部の負荷に対して仕事をします。
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